じゃがいもは犬が食べていいイモ類です。犬の味覚は甘さを好むので、素材の甘味を感じる芋類は犬が喜んで食べてくれる食材です。
ですがじゃがいもにはいくつかの注意点があります。正しい知識のもとワンちゃんの食生活にじゃがいもを取り入れてあげましょう。
目次
犬のじゃがいも さつまいもアレルギー
じゃがいもやさつまいもは基本的に犬が食べられる食材ですが、犬によってはじゃがいもやさつまいもなどのイモ類にアレルギーを起こすことがあります。
人間の場合でいうと、例えば蕎麦などは基本的にアレルギーを起こさない人が多いですが、蕎麦アレルギーがある人は重度のアレルギーを起こすのと同じですね。
じゃがいもやさつまいもを食べた後、愛犬の目が充血したり、痒がったり、下痢、嘔吐などがあった場合はじゃがいもさつまいもアレルギーの可能性が高いです。
人間のアレルギーと同様に犬にも個体差があるので、ドッグフード以外の物を与える時は、事前に動物病院でじゃがいもを含めたアレルギー検査をしてみると、食べて良いものとダメなものがはっきりしするので安心ですね。
犬のじゃがいも中毒
じゃがいもの芽に毒があることは広く知られていますね。
ソラニンという毒なのですが、最近の研究ではチャコニンという毒が中毒症状を起こすことが分かってきました。
じゃがいもが自らを外敵から守るために分泌している毒です。ソラニンやチャコニンは、じゃがいもの芽の部分だけでなく傷がついた部分にも多く含まれます。
じゃがいもだけでなく植物は自らを外敵(草食動物や害虫)から守る防御物質を出しています。
人間などの雑食動物はその毒を解毒できる能力があるのですが、犬はもともと肉食動物なので植物の毒を解毒しにくいのです。
昔からから人間と共に暮らしペットとして進化してきた犬は雑食動物としての側面も持ちますが解毒能力が人間より劣ることは確実です。
そしてじゃがいも中毒にもアレルギーと同じく個体差があります。
牛乳を飲んでも平気な人が入る半面、飲むと必ずお腹をこわすという人がいるのと同じで、他の犬がじゃがいも中毒を起こさなくてもうち犬はダメということがあります。
じゃがいもの中毒症状は、吐き気や嘔吐、震えや痙攣、下痢などです。
初めてじゃがいもを与える時や、飼い主さんが見ていないところで犬がじゃがいもの芽を食べたなど場合は、中毒の症状がないか様子を注意深く観察してあげてくださいね。
じゃがいもの栄養素 成分
じゃがいもにはビタミン・ミネラル・食物繊維・GABA・ポルフェノールなど、さまざまな栄養素が含まれています。
その中でも代表的な栄養素と犬の健康に与える効果をまとめました。
ビタミンCの抗酸化作用と免疫力アップ
ビタミンCは一般的に熱に弱いと言われていますが、じゃがいものビタミンCは熱に強く加熱してもでんぷん質が膜を作ってビタミンCを守ってくれます。
ビタミンCは抗酸化作用が強く細胞が老化するの緩やかにしてくれるので、犬のアンチエイジングや血管系の病気(動脈硬化など)に効果を発揮します。
またビタミンCの抗酸化作用は犬の免疫力アップにも繋がり、ウイルスや細菌など病気への抵抗力を高めてくれます。
一般的にみかんはビタミンCが多い果物として知られていますが、じゃがいものビタミンCの含有量は同じ100グラムで比べた場合、なんとみかんよりもわずかに多く十分なビタミンCを含んでいます。
犬は肝臓でビタミンCを作れるのですが、合成量が圧倒的に足りなくなる場合があります。
病気や薬の服用、加齢、ストレスなどが原因でビタミンCを肝臓で合成することが追いつかなくなるのです。
また運動量が多い犬もビタミンCがたくさん消費されます。
どちらの場合もじゃがいもなどのビタミンCが多い食物を補給して肝臓の働きを助けてあげることは大切ですね。
ビタミンB群の健康効果
中でもビタミンB6はタンパク質をエネルギーに変える時に働く酵素を助ける役割があります。
犬はタンパク質が主要な栄養素なのでビタミンB6が欠かせないですね。
また葉酸は犬の毛並みが良くしたり皮膚の健康を保つにも大切なビタミンで、子犬の健康な成長にも大切です。
じゃがいもに含まれるビタミンB群
ビタミン名 | 効果 |
---|---|
ビタミンB1 | 糖質の代謝 神経機能の働きに重要 |
ビタミンB2 | 糖質、脂質、タンパク質の代謝 |
ナイアシン | 糖質、脂質、タンパク質の代謝 |
パントテン酸 | 糖質、脂質、タンパク質の代謝 |
ビタミンB6 | アミノ酸の代謝 |
ビオチン | 糖質、脂質、タンパク質の代謝 |
葉酸 | 糖質、脂質、タンパク質の代謝 |
ビタミンB12 | タンパク質の代謝 |
じゃがいもにも豊富なカリウム
カリウムは主にナトリウム(塩分)の利尿作用、腎臓の老廃物を排泄するのに大切なミネラルですが、他にも脳梗塞の予防の他、血圧の上昇を抑えたり、骨密度の増加にも必要なミネラルです。
犬にも脳梗塞はあり、犬が脳梗塞になった場合は死亡率も高く怖い病気です。
脳梗塞は血管が詰まったり、狭くなることで脳に酸素や栄養を送れなくなり脳障害が起こる病気ですが、犬の場合は詰まるだけでなく破裂するので死亡率がとても高くなってしまします。
また命を取り留めても麻痺が残って歩行困難や寝たきりになる可能性が高く、お散歩好きな犬が自由に動けないストレスの大きさを考えるとどうしても予防してあげたい病気ですね。
2種類の食物繊維
じゃがいもは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類を含んでいます。
水溶性の食物繊維は糖やコレステロールの吸収を抑制してくれるので、犬の肥満や糖尿病、心筋梗塞の予防になります。
不溶性の食物繊維は便のかさを増してくれるので便秘解消に役立つと共に、腸内をお掃除してくれることで腸内環境が整い、食べ物の栄養を吸収しやすい腸にしてくれます。
犬に良質なドッグフードや手作りご飯を与えてあげていても、腸がきれいでないとせっかくの栄養がムダになってしまうので不溶性の食物繊維も大切です。
犬にじゃがいもを与える方法
犬に与えるじゃがいもを調理する際は人間用の調理と同様に、芽や傷の付いた部分だけでなく光に当たって緑色になった部分も丁寧に取り除きましょう。
じゃがいもの皮の緑色になった部分は、芽と同様に天然毒素(ソラニンやチャコニン)が多く含まれています。
皮を向いても中身が緑色の場合もありますのでその部分は削ぎ取りましょう。
普通の色の皮を剥くかどうかは賛否両論ありますが、じゃがいもの皮にはカリウムやビタミン類が中身よりも豊富に含まれていると同時に、天然毒素のソラニンやチャコニンも多く含まれています。
犬は解毒能力が人間よりも低いので取り除いてあげたほうが安心でしょう。
また、じゃがいもを犬に与える時は生ではなく、茹でる蒸すなどして加熱しましょう。
じゃがいもはデンプンを多く含んでいますね。このデンプンは生のままだと非常に消化に悪い上、何より生のじゃがいもは味もおいしくありません。
茹でる蒸すなどして、味付けをせずにマッシュポテトなどにしてあげると消化にもいいですね。
犬に手作りしてあげたいじゃがいものおやつレシピ
ワンちゃんにご飯やおやつを手作りしてあげてはいかがでしょうか?
手作りというと手間がかかるイメージですが、犬用のご飯やおやつは基本的に味付けはしないので
素材の旨味を使うことでとっても簡単に作れてしまいます。
じゃがいもケーキ
マッシュポテトでとっても簡単に作れる犬用のじゃがいもケーキです。
喜んで食べています♪飼い主さんの愛情たっぷりじゃがいもケーキ、幸せ者のワンちゃんですね♪
じゃがいもクッキー
こちらもマッシュポテトで作れるヘルシーな犬用のじゃがいもクッキーです。
まとめ
食べることは人間だけでなく犬にとっても喜びです。
この動画のようにとてもおいしそうに食べている犬の姿を見ると飼い主さんもうれしくなりますね。
正しい知識のもとにいろいろな食材を与えて、犬にも食の喜びをたくさん味わって欲しいですね。