犬や猫は卵を食べていい?卵白や卵焼きは大丈夫?守るべき3つのポイント

Egg
卵の卵黄にはお肌や毛髪の健康の守るビタミンB7が豊富に含まれるため、人間はもちろんのことワンちゃんや猫ちゃんにも栄養のある食べ物です。

でも、卵を与えても大丈夫かなと気にする方は多いようです。確かに犬や猫に卵を与える時には注意したほうがいいことがあります。犬や猫にとって、卵がいい食べ物かどうかは、卵黄か卵白かや、卵焼きかゆで卵か、というような与える部分、調理法でも変わってくるのです。

目次

犬や猫に卵を与える時に注意するのは卵白

卵の卵黄にはビオチンという、ビタミンB群の一種で水溶性のビタミンが豊富に含まれています。このビオチンはビタミンB7とも呼ばれています。

一方、生卵の卵白にはアビジンというタンパク質の一種が含まれています。このアビジンは卵黄に含まれるビオチンと結合すると、離れないくらいにがっちり結合し分子が大きくなってしまいます。

ビオチンとアビジンが結合して分子が大きくなってしまうと困ったことがおきます。生き物の腸は栄養を吸収する役目があり、腸内で栄養が吸収される時に腸壁のフィルターを通り栄養は吸収されるのですが、分子が大きくなってしまったことにより、そのフィルターを通れなくなってしまうのです。

そうすると、卵黄に含まれるビオチン(ビタミンB7)が吸収されないので、ビオチン欠乏症になる可能性がでてくるのです。犬や猫に限らず、人間にもこの現象は起きます。

犬や猫に生卵の卵白を与えすぎることで起きる症状は、紅斑、全身性の落せつ、顔面や眼周囲の脱毛などが挙げられます。紅斑とは、皮膚が赤い斑点のような炎症になることです。全身性の落せつとは皮膚の一番上の層が薄い断片となって剥がれ落ちる現象で、フケによく似た症状です。

人間もお肌や髪の健康のために、ビオチンサプリメントを取る方がいるほど、ビオチンは皮膚や毛髪に大切な栄養素です。ワンちゃんや猫ちゃんにとってもビオチンが不足することで、皮膚がトラブルを起こしたり、毛が抜けてしまったりするのですね。

卵焼きは大丈夫?犬や猫に卵を与える時の調理法

犬や猫にとって卵そのものはいい食べ物ですが、調理法には注意が必要です。

問題の卵白に含まれるアビジンは熱に弱く、熱を加えると変性といってその性質が変わります。変性することで卵黄のビオチンと結合しなくなるので卵を与える時は熱を加える調理をしましょう。

体により良く吸収させるには半熟が良いとされていますが、卵白のアビジンを変性させるところまで熱を加えるのがベストです。卵白のアビジンが変性したことを目で確かめる方法は、卵白が透明から不透明になったところです。

目玉焼きなどは変性の様子が確かめやすいですね。ゆで卵は黄身が半熟でも白身が固まっていれば大丈夫です。温泉卵などはちょっとグレーかなと思います。また調理前に卵黄と卵白を混ぜるオムレツやスクランブルエッグ、卵焼きなどは、生卵を混ぜたその時点で、ビオチンとアビジンが結合してしまうのでいい調理法ではありません。

また、体調が優れない時や、季節の変わり目などは消化機能が落ちているので十分に熱を加えた調理をしましょう。生卵の場合は卵黄だけを与えてあげるのがいいですね。

犬や猫の健康にも役立つ卵の栄養素 成分

犬や猫、私たち人間を含めた生物の体を作っている主要な物質はタンパク質です。そのタンパク質を構成するのは20種類のアミノ酸で、食事でしかとれないアミノ酸が9種類あります。卵にはその9種類すべてがバランスよく含まれていて、そのバランスを数値化するとアミノ酸スコア100というほどのすごさです。

またビタミンA、ビタミンB2、 ビタミンB12 、ビタミンB6、ビタミンE、 ビタミンD、葉酸などのビタミン類と、カルシウム、マグネシウム、 リン、 亜鉛1、 鉄などのミネラルも含まれています。

卵には、ひよこが育つまでに必要な成分がパーフェクトに含まれているので、これらの栄養素は納得です。

スポンサーリンク

まとめ

生卵の卵白に含まれるアビジンを火を通すことで変性させれば、卵にはたくさんの栄養素が含まれているので、身近な食材の中で、犬や猫の健康にとても役立つ食べ物です。

そのアビジンも生卵の卵白を毎日与え続けたりすると、ビオチン欠乏症になってしまいますが、少量や1度や2度食べてしまったからといって、あまり神経質になる必要はないと思います。

ポイントは3つ、火を通して卵白が透明から不透明になるまで火を通す、火を通す前に卵黄と卵白を混ぜないこと、生卵ならば卵黄のみで与えてあげましょう。